仕事の精度

02月21日

ごめんなさい。今日の午前中の私は、明らかに不機嫌でした。私の思い描いているレベルに達していない些細な出来事がいくつか重なったからです。どんな職場にでもあるような話なんでしょうが・・・。

患者さんの治療をするうえで、譲れない線というものを私は持っていますし、「正確な治療」を掲げるこの医院ではそれを崩さないつもりで日々診療をしています。歯科医療は、フィロソフィーだけではなく個々のスキルも問われる仕事です。当然、私の経験と技術は院の中では一番なわけで(偉そうに思われるでしょうが)、その目線で見るとどうしても気になることがでてきてしまう理屈です。そのまま見て見ぬふりをすると患者さんの不利益につながるのであれば、勇気を持ってあえてその流れを止めることも必要です。

私たちは、治療に関しては「すべては患者さんのためになることを」の精神で仕事をせねばなりません。

お風呂を想像して下さい。“ぬるま湯” につかっていると中途半端に気持ちいいですよね。でも、なかなか体が温まらずにこの季節は出るに出られずというジレンマに襲われます。出るには “追いだき” が必要です。当院も移転開業して1年が経とうとしていますが、私が国母よろしく「だらだらゆるゆる」な性格なもので、院がぬるま湯化してきています。もちろんスタッフは日々の仕事を本当によくこなしてくれていますし、やる気も見せてくれています。しかし、何をどうすればよいかが今一つ明確でないため、スタッフも皆困っているのでしょう。

院長は尻をひっぱたくだけじゃダメ。それじゃスタッフは自分から追いだきボタンを押さない。人間ですから、わくわくするような快感がないと動かない。私の役割は、わくわくを与えること。働き甲斐を感じる職場にすること。それにはやはりスキルアップは大きい。衛生士も歯科医師も、当院の治療が他の院とは違うというのはもう十分わかっていることと思う。そういう患者さんたちを自分が関わって治せたっていう快感は、今後の衛生士人生、歯科医師人生を大きく左右する。一度そういう経験をすれば、スイッチが入ると思います。人を育てるって難しい。でもね、今のスタッフには、ものすごく期待しているんです。だから、たくさん教えたいし、ついてきてほしい。

さて、話は変わるが、土曜の診療後に藤田先生と補綴物のマージンについて論議していた。彼は行田先生のワンデーセミナーに行ってきたばかりである。そこで教わったやり方や手順は、当院と大差はなかったそうでホットしたが(もちろんその技術やこだわりは行田先生の方が比べ物にならぬほど優れていることは自覚している)、補綴物のマージン位置などは若干の考え方の相違が見えた。

私が言ったのは、「それは補綴物の適合性がすばらしくいいことが前提で成り立つ話」ということで、久しぶりに20倍の拡大鏡で『保険の』冠のマージンを彼に見せた。

「ひどい、全然あってませんね(驚)」

そう、保険診療でやっても適合なんて全然よくない。こんなのが自分の歯にセットされるのなんて、耐えられないレベルだ。肉眼では気にならないことが、20倍に拡大すると途端にものすごく気になるようになる。もっともそんなことしているマニアックな先生なんて、滅多にいないでしょうけど。

そうだ、今度衛生士たちにも見せてあげよう。みんなはここにたまったプラークと戦ってるんだよということを教えてあげたい。

私は藤本順平先生に教わった補綴を今後もやり続けるだろう。要は考え方、フィロソフィーが自分にマッチするかどうかだからだ。たまたま私は藤本先生の教えが自分の求めていることに一致したから本当に幸いだった。理論と実践がブレなく一致しているいい先生です。

しかし、答えを求めてさまよい続けている先生方は多いと思う。
みんな頑張れ~

患者さんが読んでいたら、一言本音をいっておきたい。こと冠や詰め物に限っては、「保険診療でお願いします」は「妥協の治療で結構です」と同義です。型採りや削り方から手のかけ方や使う材料が全然違いますから、悪しからずご了承ください。よく、糸を歯の周囲に巻いて型を採ると言うと驚かれますが、そうしないときれいに型が採れませんからね。

ただ、最高の治療でなければ必ず問題が起こるのか?と聞かれれば、「多分歯磨きさえそれなりにできていたなら、ほぼ問題は起こらない」とは言えるでしょう。

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