ついに・・・

05月10日

我々は月々の仕事の結果を各患者当たり1枚のレセプトというものにまとめて国民健康保険と社会保険とに分けて提出する。毎月数百枚のA4用紙がどさっとプリントされ、それを宅急便等で各事務局に送るのだ。

昔はドットプリンターで長時間かけて印刷していたものも(さらに紙送りに使う耳の部分をミシン目から切り離す作業もあった)、今は当たり前のようにレーザープリンターで毎分数十枚というスピードで印刷が完了する。これだけでも進化なのだが、インターネットやPCの爆発的普及というITの発展をみて、この機に乗じて国が打ちだしてきたのがレセプトのオンライン請求だ。

要するに、今まで紙で提出していたものをオンラインで送りなさいよ、ということだ。付け加えると、これは義務。5年以内にすべての医療機関でその体制を作り上げなければならないのだ。

さぁ困ったのは歯科医院の先生方。昨今はほとんどの先生がレセプトはコンピュータで管理、打ちだしをしている。しかし、ご高齢の先生や患者数の少ない先生にはそのレセプト用コンピュータ(レセコン)はただの高価な置物になってしまうため、いまだ手書(または書き屋さんという代書屋さんみたいなものがある)の場合もある。今さらン百万のコンピュータを導入するのは抵抗があるでしょうね。なので、その時がきたら引退する先生も多いと思われる。

そんななか、当院では今日レセプトオンライン請求をしてみた。
1年ほどの猶予などは申請しても仕方ないし、どうせなら送る手間が省けていいやと考えてのことだ。しかし、、、返戻といい間違いのあったレセプトは紙にプリントされて戻ってくるし、その再請求もその紙を送り返すことで成り立つことから、郵送という手間が消えるわけではない。要するにまだ完全にオンラインだけで済ますことはできずに過渡期だということだ。

問題がなければこのままオンラインかなぁとは思っているが、周りでやっている先生など聞いたことないし、みんな「やらない」と言ってるし・・・。

良い政策とは思えないが、なんでもかんでも管理下に置いて制御しようとする国の意図は、徹底的に細かいところまで管理することでつまり医療費を大幅に減らしていくことである。「保険でよい医療を」なんてスローガンがあるし、患者さんも医者はそうするのが当然と思っているが、それが叶うのはほぼ健康な、ちょっとした病気、ちょっとしたむし歯などの方にのみだ。

当院で保険で作っていた「がっしりとした入れ歯」は、完全に赤字だ。技工所に払う入れ歯を作る代金の方が、治療費よりも数千円も高いのだ。もっというと、そこにかかる材料代や歯科医師はじめ従業員の入れ歯完成までの人件費も上乗せされてしまい、赤字の幅は軽く万単位になる。これだと、入れ歯を作れば作るほど赤字が増えるというおかしな現象が生じる。きちんとした入れ歯はがっしりとしたものが良いのだが、やはり保険ではそうもいっていられない。ちなみにがっしりとしていなくても入れ歯は赤字だ。

困っている患者さんが喜んでくれればそれも良いのだが、入れ歯が入って満面の笑みで喜ぶ人も少ないし、使わなくなってしまう人もいるようでは、こちらもなんだかなぁと思わざるを得ない。

これ、巷でインプラントが増える理由かな。

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