桜の会(8月)

08月06日

8月の第一金曜日の診療後に、恒例の桜の会が行われた。

今月は当院の藤田先生が「下顎総義歯の吸着について」まとめてきてくれた。
下顎の義歯というのはとても難しいとされ、なかなかコレといった結果がでにくいものです。歯科医師はみな、悩みながら自分なりの形を作り上げていくので、私も勤務医だった頃には関連する書籍や雑誌をコピーしまくって基礎を勉強したものです。ただ、実際やってみないと分からないことばかりで、昔は義歯は「大きくなきゃいかん」と思っていたのに、今は「可及的に小さくてもいい」と考えが変わってきたり、理論と実践との狭間で揺れ動いてきた過程があります。要は「使えるのが一番」、と思っているので、今では患者さんとコミュニケートしながら妥協点をみつけていくという手法を取っています。

でも、チャレンジは必要だから若い先生方は、色々な大きさの義歯を試してみることも勉強です。一発でキズができない義歯ができるなんて、製作過程での誤差が大きい保険診療ではそうそうないわけですから、いかに調整していくかが腕の見せ所ですよ。

私、昔は自分の理想の義歯形態を患者さんに押しつけていました。
「大きいです」と言われても、「これが理想の形だから」と突っぱねていたものです。若かったなあと思いますね。なんか、そんなことを思い出す勉強会でした。

そして後半は、各医院の症例発表。これが盛り上がりました!
須加先生の、残根を強引に残して補綴したケース。意見が飛び交いましたね。本当によくまとめあげたなぁというケースでした。今後はカリエスリスクを考えたメインテナンスが必須でしょう。臼歯部の咬合支持がPDではやや弱く感じられることもあり、前歯の突き上げが将来的に問題を引き起こすのではという懸念もありますし、患者のモチベーション次第でもちが変わってくる典型的なケースだと思います。患者さんも、最初の状態をあそこまでに仕上げた先生の努力と忍耐、高い手腕に対してもっと評価してあげてほしいものです。当院の衛生士たちも感心していましたしね。あれだけの努力をすべて保険診療でもっていったのは完全にボランティアですが、まぁ「自己満足です」とおっしゃっていたので、納得はしてらっしゃるので大丈夫ですね!先生良心的です!

加藤先生の、少数歯残存症例への治療計画。これはみな黙りこんでしまいました。難しすぎます。
一晩考えましたが、コーヌスにするにはバランスが気になります。左奥で噛んだ時にかかる沈下による回転力が残存歯に与える影響がどう出るか・・・。フルのクロスアーチブリッジが入ったのと同じ状況と考えると、左上3より後ろはすべて延長ポンティックとみなせなくもないわけで、さらにヒトは奥歯で噛む習性があることを考えると、コーヌスにするならば口蓋や結節をすべて覆うようながっしりした金属床であることが必要じゃないかな。金銭的な面も含め、どういう方針を患者さんが選択するかも重要ですね。でも、真摯な取り組みが垣間見れる、加藤先生らしいいいケースでした。相変わらずいい仕事してますね。

当院からは代診の先生たちのケースを用意していましたが、時間が既に22時を回ってしまったのでお開きにしました。他院のケースをみることは、とても勉強になるし意欲にもつながります。こういう勉強会は気持ちいいです。次回のネタを考えなくては。

ちなみにどんどん参加者が増えています。

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