半沢直樹

08月25日

オレたちバブル入行組 (文春文庫)
テレビで大人気の「半沢直樹」。あまりに話題になっているので、原作本を読んでみた。

舞台は大手銀行。かつてバブルの時代ものすごい囲い込みの中で就職した世代の物語。

私の高校時代の友人たちも、銀行に就職した者は多い。本の冒頭部分を読みながら彼らの就職話を思い出してみたが、 内定が出たら朝から晩まで缶詰、どこかに連れていかれてという半拉致のような話は、この半沢直樹と一緒じゃん、とのっけから興味津津。

で、その時誰しもが思ったのは、銀行員だなんて「一生安泰」でうらやましい、ってこと。
一生安泰?これを疑う者なんかいなかった。

就職してしばらくは、タクシー券使い放題はじめかなりバブリーな話が聞けたし、飲みにいってもおごってもらったりもした(銀行の接待・交際費として)。世の中がそういう時代だったというのもあるが、その後景気の悪化と共にいつの間にやら銀行が経営破たん。その後は合併合併の繰り返しの末、4大銀行(三菱東京UFJ銀行、みずほ銀行、三井住友銀行、りそな銀行)、3大メガバンク(三菱UFJフィナンシャル・グループ、みずほフィナンシャルグループ 、三井住友フィナンシャルグループ )体制に落ち着いたのは周知の通り。

この原作のパート1とパート2を読んだが、どちらも行内に黒幕がいるあたりは構成が似ている。そんなことってあるのか?と冷静に考えるのはやめよう。単純に物語のなかに身を置いてしまった方が楽しく読める。

思い出した。友人たちが就職して話を聞くたびに、私の選んだ歯科という世界の知識だけでは彼らの話にまったくついていけず、社会性がなくなる危険を強く感じた。それゆえ、彼らに影響されて新聞をしっかりと読むようになったし、銀行について成り立ちや構造についてまったく知識がなかったので、こっそりと銀行に関する本を数冊買って読んだりもした。他の友人たちも銀行マン以外にも商社、メーカーなどのきなみ大手に就職したが、あの頃は友人たちのなかで本当に話がまったく見えないことが多くて、自分の世界がいかに周りから隔絶されているかを知らしめさせられた。いい経験をしたなと思う。

この本だが、1日で1冊読めてしまう。ところで、上戸彩ってどんな役どころなんだろう?

さて、その友人たちと3月に飲んだが、みなそれぞれ考えていることはあるんだろう。結局私など、呑気なものだ。自分ではそれなりに苦労しているつもりだが、彼らに比較したらやりたいことをやりたいようにやっているし、環境としては恵まれているのだろう。当時、銀行の福利厚生はものすごく手厚かったし(書けないくらい)、財形貯蓄の利率などもバカ高かったので(書けないくらい)、お前らは俺たちの預金で・・・と恨みごとを言っていたものだ。実際は個人の若造の預金などまったく論外で、企業への融資、貸付などで得た利益や株の運用益を行員に回していたのだろうが、それでも先の一生安泰を裏付けるには十分な力をもっていた。

こないだその友人の一人から電話があった。次の飲み会の件だろう。ミーハーだが半沢直樹の感想なども聞いてみよう。ちなみに義弟もかの友人たちと同期入行。

 

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