ブレイク

06月16日

あるところに、一人の男が住んでいました。
男には、足の悪い息子がいました。

ある日、男は、息子と二人で町にロバを売りに出かけることにしました。

男と息子がロバの足を縛って運んでいると、通りがかりの人に

『人間が動物を運ぶなんてバカなことを』

と言われました。

そこで、男は、ロバに足の悪い息子を乗せ引いていると、今度は
別の人に

『年寄りを歩かせ、若いものが楽をするなんてとんでもない』

と言われました。

そこで、こんどは男がロバに乗り、足の悪い息子がロバを引いていると
また別の人に

『息子が足をひきずっているのに、自分だけ楽をするなんて・・・』

とあきれられてしまいました。

しかたがないので、二人でロバに乗っていると、今度は

『ロバが疲れてしまい、売り物にならないじゃないか』

と忠告されました。

そして、男はこう言いました。

『世間の誰をも、全てを満足させようなんて狂気の沙汰だ。
これからは、どんなに非難されようがほめられようが、
人があれこれ言おうが言うまいが、おれはおれの考えに従う』

- ラ・フォンテーヌ『寓話』より -

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