「伝わる」よろこび

09月12日

スタッフのモチベーションというのは、どの院長でも悩むところだと思います。こちらがいくら頑張ってくれと心の中で、または直接面と向かって言ったとしても、はいそうですかといくものではありません。

学生時代はサッカー部に所属していましたが、6年制ということも手伝って上の学年と下の学年では意識の差がとても大きいのが悩みでした。自分も下のときは、練習のある日(週6日)は「雨が降ればいいのに」「早く終わればいいのに」と思っていました。試合で負けた後にマネージャーと雑談をしていたら、「お前らよく笑ってられるな。信じられない」と先輩に怒られたのは苦い思い出です。先輩は多分もっと言いたいことはあったのでしょうが、その時はそれしか言えなかったのでしょうね。あの時は「おーコワ」くらいにしか思いませんでしたが、自分が逆の立場になるととたんに言うことも変わって来ます。思い返せば、私は5階建てのマンションの5階いに住んでいましたが、当初そのマンションにはエレベーターがありませんでした。で、1年生か2年生の時だかは練習後這うようにして階段を上がり、玄関に倒れ込んで休んでいたこともありました。同期のI君も違うマンションでしたが4階に住んでいて、やはり同じように這って上がっていました。変にそんな経験があったりすると、自分が上になったときに下の学年がダラダラ練習していることに対して「お前らそこまでやったのかよ」と言ってしまうんですよね。

私は個人個人、出来ないことは全体練習後の居残り練習でやるべきと思っていましたから、暗い中でも普通に残って練習をしていました。だいたい付き合ってくれる後輩は同じでした。しかし、できるべきことができてない本来やるべき人はさっさと帰ったりしてしまうんです。その当時は、いちいち言わなくても自分の背中を見て感じてくれればいいなどと思っていたのですが、結局最後までちっとも伝わりませんでした。

もちろんチームも弱いままでした。

今、時を隔てて17年、やっとわかったことがあります。間に立って上の人の意思を下に伝えてくれる人がいなかったんです。こんな小さな組織の医院でも、上意下達がしっかりいっていないとうまく機能しないことも多かったのですが、今回歯科衛生士の平木主任が嫌な小姑のような役回りを演じてくれたことで、今まで動かなかった歯車が回り始めました。憎まれ役に徹して私の考えを伝えてくれた平木主任、そしてそれを素直に受け止めて実践してくれている高森、川島の両衛生士、みんなに感謝しています。平木主任も、「質問してきてくれるようになった」とものすごく喜んでいました。私も改善されたアシストを受け、とってもやりやすくなったし、それこそ居残り練習をしてくれている姿を見て、本当にうれしく思っています。その姿勢が自分達のスキルアップにもつながっていくことは間違いありません。シャープニングにせよ、カメラにせよ、麻酔下でのSRPにせよ、それだけでもう既に他の歯科医院よりも多くのことを経験しているはずです。そして自分達が上に立つ時がきたらまた、その努力経験が活きてくるのです。

私では絶対に伝えることができなかったことを、間に立って伝えてくれる人の存在の大きさを感じたつい最近でした。言われて「なにを!」と思うこともあるのですが、院長に対してモノを言える人がいるってことは大きいです。まぁだいたい院長なんて思いつきで動くものですから、誰かが制御してくれないと収集がつかなくなります。

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