桜の会(追記)

12月06日

昨日の続きを。
金曜夜の勉強会。3Mixですね。
新潟大の岩久先生らが研究を重ね、何にも研究してないにもかかわらずに勝手に組成を変えて臨床応用した、仙台の宅重先生で有名になった方法だ。

たまにTVで取り上げられたりして、その後は患者さんからの問い合わせもあるが、「やってません」と答えるようにしている。

やらない理由は、「よくわからないものだから」それに尽きる。

むし歯が深かった場合の処置だって、昔から色々な方法が試され結果が蓄積されてきた。それにより、この方法なら何%くらいで問題が起こらない等、科学的根拠に基づく治療計画の立案が可能になった。3Mixはまだその段階までいってない。つまり、その処置方法を使ってもどういう結果になるかはわからないのだ。

患者にそれを説明して同意を得て使うのならばまだいい。
しかも、その使い方は保険で認可されていないので自費診療になる。

その辺を患者には何も告げず、保険でやるのは果たして「親切」か?
言葉は悪いが、勝手に人体実験をしているのに等しい。
もちろん先生は上手くいけばいいと、よかれと思ってやっているのだろうが、わかっていないことをして万が一問題が後々わかった場合には責任を負わねばならない。

ミドリ十字の事件を思い出してほしい。
患者さんも安易に飛びつかないように。

わかっていることをきちんとやることの方が、よほど信頼のおける歯医者なのだと自分では信じています。

とまぁ、そんなコメントをさせてもらった後に、私のスライドを発表させてもらった。
「重度歯周炎患者は歯周治療で本当に歯を残せるか?」

最近歯がぐらぐらで噛めないという主訴の患者さんが多い。
確かに、噛めば歯が動くという状態で、もうどうしようもないと思われるような患者さんたちだ。
NK1

ナカジマ025

この状態で噛んでいるので、前歯がぐらぐらになっているにもかかわらず、退職されるまでのあと1年半、このまま(歯を削らずに)持たせてほしいと希望された。ちなみに「入れ歯はNo!」だ。血糖値も高く「インプラントもNo!」だ。

私の提案は骨植の良い右上にブリッジの仮歯を入れさせてもらい、そこで噛んでもらうということだった。で、TEKにしたのだが、下の歯が挺出しているので当然かみ合わせが高くなる。となると前歯が噛めなくなる。噛めば前歯がぐらっとなる状態だったので、保存するためには安定するまで前歯に当ててはいけない。で、右だけで噛んでもらおうと思ったが、やはりものすごく困りそうだったので前歯の裏にも急遽レジンを盛って、下と噛めるようにした。

患者さんは「噛めるようになって、今は不自由はない」が、「括舌が悪い」とのこと。・・・・・・元の状態を考えたら括舌などどうでもいいではないか・・・。それより、あと1年4カ月歯を持たせるにはどうしたらよいかを考えなくては。

私の提案は上顎すべてを「削って」つなげてクロスアーチブリッジのTEKにすることだ。もちろん、噛めるようにする。ただし、その仮歯で一生送るわけにはいかないので、きちんとメタルで補綴することが条件だ。その場合、軽自動車ほどの高額な治療になる。しかも、何年もつかなどの条件は誰にもわからない。内心5年以上はもつだろうと思っているが、そこから先は何年なのかはわからない。手入れ次第でもある。しかしそれ以前に、患者さんが「意地でも残す」という意欲がないことが問題だ。退職したら抜けて義歯でもいいらしいが、このままではそれまで持つ可能性は低いと何度も説明した。
ブリッジが難しいならば、残る歯をうまく残してオーバーデチャーというのが真っ当な選択ではなかろうか。これなら保険でもできるししっかり噛める。ただし患者さんの最初の条件は満たさない。

さぁ、次回来院時に患者さんはどのような選択をするのだろうか。

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