入院して思うこと(3)

06月15日

沈まぬ太陽〈1〉アフリカ篇(上) (新潮文庫)入院中の患者はおとなしくしているしかなく、基本的に暇だと考えて良い。私のような40歳代はバリバリ仕事をしている方も多く、なかなか一人でゆっくり過ごす時間など取れないことも多いだろう。入院はある意味、貴重な時間を授かったことに似ている。

この「沈まぬ太陽」分厚い本が5冊に及ぶ超大作である。入院中、これは読書に耽るチャンスと思った私は、読みかけのままどこまで読んだかわからなくなっていたこの小説を読破しようと決めた。また1巻からだ。

言わずと知れたこの作品、モチーフは日航の墜落事故だ。国民航空として描かれてはいるが、脚色はあるものの、これが実際の当時の日本航空のことと考えてよいと思う。半官半民のこの航空会社は、何をしてもつぶれないことをいいことに、ずる賢い社員たちが甘い汁を吸うだけ吸うという腐りきった体質であった。

あれ?折しもテレビでは同じようなことを連想させる会社が取り上げられている。
東京電力だ。

まぁ、東電も国民を舐めくさった態度だ。給料を減らすつもりは全くなし。なのに税金投入。
社長、会長も辞めたがらず、世論に負けて止むなく退職、しかし退職金はいただくという理屈に合わぬ結末。表舞台から消えちゃえば忘れ去られちゃうからいいのか。

電力を安くできるとのプランも実際はそうならないというお粗末なものだったり、天下りの温床でもあるお抱え電力会社ならではの悪知恵というか浅知恵。

小説の話に戻るが、まさに当時の日航もそんな感じだったのだろう。
事故の反省は、事故を起こした当事者だけの問題で、我々執行部役員にはなにも反省することはない、という態度。もちろん遺族やマスコミの前では殊勝な言葉を述べるが、本音ではない。ただ保身に走るその姿勢は醜いとしか表現のしようがない。

そんな感じで5巻まで1日1冊のペースで読み終えた。

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